2014年4月13日日曜日

第6回 柏水堂

暖かい陽光のもと、小宮山書店さんの前の山桜が清楚な花をそよがせる春の日。神保町の古書街でカラーブックスを探しながら、ランチを楽しみに、学士会館へ立ち寄りました。昭和3年の建造で、国の有形登録文化財にもなっている建物です。


軽食やランチ、お酒も楽しめるラウンジ「THE SEVEN'S HOUSE」。店内には上品な高齢の紳士婦人が目立ち、品格ある雰囲気にぴったりの素敵な方々でした。



ロビーにはなぜか年代物のKAWAI製の足踏みオルガンがありました。ストップで音色を変えることのできる、高級なタイプのオルガンで「エリーゼのために」を弾いてみました。実に数十年ぶりにオルガンを弾いたのですが、子供の頃に身につけたものは案外忘れないものですね。


ランチの後は、古書街へ戻り再びカラーブックスを探し、歩き疲れた頃に午後のお茶の時間となり、土曜日なので、営業していると思い、柏水堂へ向かいました。ショーケースの中の可愛らしいケーキと反対側にはこれまた可愛らしい焼き菓子類が並んでいます。


奥にある喫茶コーナーへ。テーブルと椅子がカラーブックスの世界です。柏水堂は昭和4年創業です。創業当時は現在の反対側にお店を構えていたそうですが地下鉄工事のための移転など数々の苦難を乗り越え「乙女のプードルケーキ」は守られました。


バタークリームのデコレーションが展示されたガラスケースの中から、お気に入りのケーキを選びます。




「メゾン」(チョコレート)と「レモンパイ」ふっくらのメレンゲにレモンが濃い!チョコレートのバタークリームもあっさりとした味で


「プードル」と「ロワール」柏水堂に来るとケーキを二個注文する人が多いと言われていますが平気で二個いただける軽さと味わいです。


「プードル」は柏水堂を代表する人気のケーキです。バタークリームの味は上品で甘さ控えめ、バタークリームが苦手な人でも大抵は気に入ってくれます。


プードルケーキの中にはジャムがサンドされ微かに酸味を感じるところがバタークリームと良い相性です。チェリータルトの「ロワール」は甘酸っぱい小さなチェリーがお行儀良く並んだ少し硬めのタルトのまわりにチョコレートが薄く塗ってあります。


お隣の席に、老婦人が来店され、楽しそうにケーキを選んでいました。一度席へ戻られてから「もう一度見て来るわ」と言ってどれにするかガラスケースの前でケーキを見ているお姿は完全に女学生に戻られていたように見えました。微笑ましい光景も神保町という町の歴史あるお店ならでは。



フランス語で書かれた手書き伝票がおしゃれ。これから何度もお伺いしたい大切なお店です。


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